とくじろう Tokuyiro
Musician, Videographer
コンガのウォーミングアップと基礎練習
まえがき
そういえば歌の事や歌詞や曲のことについて書くことはあってもコンガについて書いたことってないなぁ、と思いまして。。。
この機に、わしが日頃やってるウォーミングアップ兼トレーニングを紹介してみよかと思います。それからチューニングと。
海外のプレイヤーの動画なんかではいっぱいあるけど、日本のプレイヤーで紹介してはる人が少ないみたいなんで、ビギナーのために、それぞれのトレーニングの目的と方法も交えて書いてみよかな、と。
長年コンガっちゅう楽器をやって来た中で、諸先輩方に教えてもらったり、好きなプレイヤーから影響されたり、時々で課題を取り入れたりしながら辿り着いたやり方です。
プレイヤーの数だけそのやり方も目的もあると思うけど、選択肢は多い方がええもんね。ビギナーにとっては。
練習をして行くうちに自分なりのやり方は見つかるもんやし。
コンガのウォーミングアップってあんましピンと来んかもしれんけど、ウォーミングアップをするしないでは全然音色が違う。統計を取ったわけではないからわしの場合は、やけど。
また、してない状態ではダイナミックスのコントロールもしにくい。というか、小さい音で狙った音色が出しにくい。
まったくウォーミングアップなしで叩ける人もあるんやろうけど、わしは全然ダメ。
で、どこの部分のかっていうと、ざっくり言うと手首と前腕の手の甲側の筋肉。
今回紹介するトレーニング(練習)をやりはじめると気が付くと思う。
『その1』の動きをしばらくするとここら辺りが痛〜〜くなってくる。なってくるけどそこで終わりやなくて、ちょっと休んで続けなあきませんよ。
打楽器をやったことのなかった人にとって、こんな動きを日常で何分も何分も続けて行うことはなかったはずなんで。そんなもんです。
ふだんから楽器を触ってる我々でもその日のはじめは痛〜なりますからね。
とくに寒い時期になると筋肉もほぐれにくいんで、あったかい時期よりも余計に時間がかかります。
基本的にはふだんの練習も本番前もやる内容は同じで、普段の練習時には下に紹介する1、2、3をBPM=90〜110、120くらいまでテンポを上げつつ3段階くらいでやるんやけど、本番前のウォーミングアップでは90だけで10分くらい。
手のトレーニングという意味ではこの3つは楽器がなくてもテーブルやイスにタオルを敷いたりして出来るんで、ぜひ取り組んでほしい。
音色は試されへんけど、実際に楽器を触った時に全然違うと思うから。
さて、どの楽器にも言えることやけど、コンガの場合もまず、如何にキレイな音色で演奏するか、これが大前提やと思う。
ま、キレイっつうのは主観の問題やさかいに、人それぞれ「コレ!」って思う音を目指して練習してるわけやけど。
また、音色とは別の話でグルーヴってのがあるけど、グルーヴもある面では音色と同じで、如何に思ったように身体が動くか、動かせるか、っていうことがキーなんやないかと思う。
とくにわしみたいに凡才の人間には。
今でもずっと心に刺さってて、わしの原動力になってる、とある先輩の言葉がある。
「自分ではやってるつもりやろうけど全然できてない。技術が足らんからや」
ああでもないこうでもないと模索してた頃に、ようやく「これや!」って思うカタチが見つかって臨んだ本番の後に言われた言葉。
あとでプレイバックを聞いてその先輩の言うてたことが正しかったことが解ったんやけど、ものすごいショックやったと同時にその核心を突いた言葉に目を醒まされた。
当時は小手先でああだこうだと色々試してたんやけど、結局もっと根本的なところに原因があるんやな、、、と。
ここに紹介するものはすべて、その根本的な問題をクリアするための、コンガを演奏するうえで必要な技術を身につけるための練習方法であり、上にも書いたように、ウォーミングアップとしても最適やと思ってわしがふだんからやってる内容です。
やりたいことを表現するには技術が要るし、結局回り回って基礎練習が一番大事やと思う。急がば回れ。細かいテクニックの練習は基礎練習の後。
グルーヴはまた別のハナシやし、今回はナシ。
打楽器全般に言えることやけど、まずは右手も左手も正確に演奏出来るようになること。
ニュアンスはその後かな。
ブラジルのカーニバルで演奏されるあの独特の訛りのあるサンバの打楽器隊。
現地ではただひたすら何時間もメトロノームに合わせてスクエアにスクエアに練習するところから始まるそうですが、結局どんな楽器もしっかりとした土台がないと、という良い例やないかしら。
その練習・トレーニングはつまらんかもしらんけどね。
ということで本題へ。
これからコンガを始めるっていう人も、習い始めたっていう人も、まず気にしてほしいのはフォーム。
YouTubeなんかをみても分るように、プレイヤーによってフォームはほんまに様々。
100人居れば100人、手のカタチも含めカラダの作りは違うし、その人が一番スムーズにカラダが動くフォームがある。
スポーツの世界では有名な「4スタンス理論」てのがある。
人間のカラダの動きは4タイプに分かれるというものなんやけど、Aさんにとってベストなカラダの動かし方がBさんにとってもベストなわけではなく、その人に合っていないカラダの動かし方でいくらトレーニングをしても良い結果には繋がらない。というもの。
なので、いくらAさんのプレイがカッコいいからといって、Aさんのフォームを真似たとしても、自分のカラダに合っていなければいつまで経ってもAさんに近付くことは出来ない。
真似をしんといかんのは『音』で、フォームではない。
そこでハナシを戻すと、自分にとって一番無駄なくスムーズに動かせるフォームを探しながら日頃の練習・トレーニングをしてほしい。
というのも、一度おかしなクセが付いてしまうと後になってクセを矯正するのがスゴく大変やから。
これは自分がそれで苦労したから、おかしなクセが付く前の段階の人には声を大にして伝えておきたい。
それから、屋外で練習出来る人はなるべく屋外で練習してほしい。
というのも、屋内だと部屋の作りでも音は変わるんで、よく響く部屋だと鳴り過ぎるし、防音がしっかりした部屋だと逆に鳴らないし、とくに楽器を始めたての人には実際にどんな音で鳴っているかが判断しにくいから。
屋外だと不必要に音も反響しないし、自分が叩いたそのままの音が鳴るんで、変に勘違いしなくて済むんで。
とはいっても足が無いと楽器の運搬もムズカシイし、可能なら外の方がいいですよ、ということです。